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専門医にインタビュー/アジア獣医内科専門医(循環器)/髙野 裕史先生

髙野 裕史 (たかの ひろし)

獣医師、博士(獣医学)

アジア獣医内科専門医(循環器)

日本獣医循環器学会認定医

1)先生の略歴(自己紹介も含む)

初めまして。この4月よりどうぶつの総合病院 専門医療&救急センターの循環器科に着任いたしました髙野 裕史(たかの ひろし)と申します。学部・大学院で犬猫の循環器学を専攻し、その後大学・大学病院や循環器専門診療施設にて循環器診療を学んでまいりました。

当センター循環器科の部長の藤井洋子先生は学部・博士課程のメンターであり、博士取得から10年弱の期間を経てまた一緒にお仕事をさせていただけることになりました。

専門診療、臨床教育、臨床研究の3つの柱を持ち、相互に好循環(シナジー)させることのできる科を皆で作って行きたいと思っております。また、診療においては飼い主様、紹介病院の先生方としっかりと信頼関係を築き、患者一頭一頭に最適な治療方針を常に考えていけるよう心がけてまいります

2)当科でカバーできる症例について

高性能の心臓専用超音波装置や心電図計のみならず、Cアーム(デジタル透視装置)、CT、MRI、長時間心電図記録計(ホルター心電図検査)などの設備を用いて、内科診療以外にもカテーテル治療やペースメーカ治療など幅広く対応させていただきます。

対応可能な疾患として、犬の僧帽弁閉鎖不全症、猫の心筋症、動脈管開存症や肺動脈狭窄症などの各種先天性心疾患、不整脈疾患、心膜疾患、心臓腫瘍などが挙げられます。

僧帽弁閉鎖不全症に対する外科治療に関してもJASMINEどうぶつ総合病院との連携により対応が可能です。術前検査や術後のフォローアップは当科で可能ですので、適応かどうかなども含めてお気軽にご相談ください

3)どうぶつの総合病院だからこそできる循環器症例へのアプローチ

他の疾患同様、循環器疾患も他の臓器、体全体と密接に関連し、障害が生じれば相互に影響を及ぼすことになります。当院には専門医を有する専科が数多くあり、外科、内科問わず迅速に連携体制を作ることが可能です。

また、救急センターがあることで、犬の弁膜症・猫の心筋症による急性心不全、猫の動脈血栓塞栓症、不整脈疾患による失神など、救急の症状にも連携して随時受け入れ可能な体制を整えております。

4)目指す専門診療の形

私が目指す専門診療は、(1) 高い診療技術と充実した診療設備のもと(2) 紹介動物病院の先生方に我々の顔が見え、どんな診療を行なっているかをしっかりとお伝えすることができ(3) ホームドクターのである先生方、飼い主様と我々の輪の真ん中に動物を置くように、しっかりと3者の連携がとれている、そんな診療体制です。

また、どんな症例や主訴でも気軽に紹介していただけるような診療科にできればと思っております。日々の一般診療で見かけることの多い心疾患を例に挙げれば、中高齢の小型犬に心雑音が聴取されたからと言っても必ず僧帽弁閉鎖不全症であるとは限らず、猫に心雑音が聴取されたとしても必ず肥大型心筋症であるとも限りません。

そのため最初の診断時には心エコー検査による精査が不可欠ですが、その後は毎回心エコー検査をしっかりする必要があるかといえば、必ずしもそうではありません。ホームドクターでの定期検査を基本にしつつ、要所要所で我々が評価を行うことで、飼い主様や動物の負担も軽減できるのではないかなと思います。

そのためにはやはり我々二次診療施設と紹介病院様、そして飼い主様がしっかりと連携を組み、患者様を丁寧に診ていくことが大切であると考えています。

今後の当科の取り組みとして、循環器セミナーの開催や、循環器科から「ここだけは抑えておきたい検査ポイント」や「知っておきたい心疾患ごとの大事な病態」などテーマを決めて定期的にコラム形式で発信できたらと思っています。
またその他にも紹介動物病院様とのより良い連携の方法を常に模索していきたいと考えております。要望・改善点などございましたら、いつでもご連絡いただければ幸いです。

症例紹介についてのご相談、見学・研修のご希望など、当院循環器科についてのお問い合わせはcardiology@vsec.jpまでご連絡ください。

なお、症例のご紹介をご希望の方は、お電話はこちらから、WEBフォームはこちらからお願いします。

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